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< FMラジオに及ぼす前兆電磁波の影響 >


2000/3/1 執筆着手
2000/3/7 V1.0 執筆終了
2005/1/9 一部修正
2006/3/8 HTMLタグを修正

1. 前置き

ここで触れるFMラジオは日本では76〜90MHzの周波数で行われている放送である。この放送は音質が雷 良い周波数変調という方式で情報が伝えられる。そこでまず周波数変調について述べる。

なお、AMラジオでの検討項目と重複する点については、その都度リンクして記述を省略している箇 所がある。

2.周波数変調

AMラジオと同じく、情報を遠くまで伝搬させるために変調が行われる。FM(Frequency Modulation) 放送はその名の通り、電波の周波数を変化させることによって搬送波に情報を乗せる変調の方法で ある。(FIG.1参照)この方式は音質が良く、AMラジオよりも外来ノイズの影響を受けにくい FIG_FMJ0101ために海外ではAMラジオ以上に普及している国もある。

3.復調

AMラジオとは全く異なる原理で復調が行われる。回路的には沢山の方式があるが、方式の内容まで 触れるのは専門的になりすぎるので、ここでは、主な回路名称のみ記述する。興味のある読者は インターネット上で検索したり、電子工学系の専門書で研究して欲しい。動作的には変調とは逆に 周波数成分の変動から情報を取り出す点で全て同じである。但し、PLL回路、位相検波回路は、 復調回路の後に積分回路が付加される。

フォスタシーレー検波回路、レシオ検波回路、ワイズ検波回路、クォドラチャ検波回路(現在の 主流)、PLL検波回路、遅延検波回路、位相検波回路、等々。

4.伝搬(情報の伝達)

AMラジオと同じなので記述を省略する。

5.FMラジオへのノイズを聞いたら

確認すべき項目

原理的にFMラジオはAMラジオよりもノイズの影響を受けにくい。理由はFMの場合には振幅成分に 情報が入っていないからである。また、音質向上の為にリミッタと呼ばれる、波形の上下をカット する回路(FIG.2参照)が入っており、振幅性のノイズが復調回路に混入することを防いでいる。k それでもノイズが入る場合は、AMラジオ以上に強い電磁波ノイズが出ていると考えるべきである。 地震前兆と考える前に検討すべき人工ノイズについて考慮す る点でAMラジオと共通する内容については記述を省略する。

FIG_FMJ0102

(1)1chのテレビ放送局の影響ではないか。

別章でも触れるが、日本のFM放送周波数帯の上限は90MHzであり、そのすぐ上にテレビ放送1chの映像周波数がある。テレビ放送局の電波に関しては、大変厳しい規定があり、許可された周波数帯域以外への電波の漏洩の可能性は極めて低い。ここで問題になるのはむしろ、受信機側の性能不良である。日本に限らず受信機の妨害電波除去能力の規定(これをイミュニティという)は送信局側の規定より緩やかである。(最も厳しいのはEUの規定であろう)そのため、受信機内部の部品劣化、FM放送局の電界が弱く外部 アンテナを使用している場合にはアンテナ線の断線、接触不良などで、1chテレビ電波の影響を 受ける可能性がある。希な例では屋外に設置している八木・宇田アンテナの被覆とエレメントの 隙間に空気中の化学成分が侵入し、この部分が天然の受信回路のような構成になり、そこ からかなり高いレベルのノイズが発生したという実例がある。同様の事例が発生しやすい場所と しては海の近く(台風や強風の後に海水が入る)、工業地帯・交通量が多い道路の近く(排気ガス 成分が入る)などがあげられる。

(2)異常伝搬(スポラディックE層)が発生していないか。

普段は半径100〜200kmのサービスエリア内でしか聞こえないFM放送局の電波が、突発的な電離層の発生によって、突然遠距離にある(国内であれば)同じ周波数のFM放送局、韓国や中国・台湾のFM放送局、東南アジア方面の海外の漁船が使用する違法無線機からの漏れ電波などが入感することがある。同じ周波数 であればノイズが入っているように聞こえることは希である。近い周波数で強力に入感している 場合にはノイズとして聞こえることもあり得る。海外の放送局で周波数が僅かに異なる場合には ”ピー”、”ビー”、”ブーン”という音が聞こえることもある。このような電離層は特に梅雨 の時期から夏の間に発生する回数が多いが、それ以外の季節でも希に発生することがある。この 場合、放送バンドの端から端まで聞いてみて、普段聞いたことが無い局が入っていないかを チェックすると良い。

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前兆の可能性が考えられる場合のチェック項目

ここまでチェックしても該当する人工ノイズ源がないならば、地震の 前兆電磁波かもしれない。次の点について可能な限りチェックする。

FIG_FMJ0103

i.時刻

AMラジオ 時刻の場合と同じなので記述を省略する。

ii. 発生の頻度・聞こえ方

AMラジオ 発生頻度の場合と同じなので記述を省略する。

iii. ノイズが来る方向

FMラジオでは通勤用として売られている一部の小型ラジオを除いては一般に外部アンテナと してホイップアンテナが取りつけられている。所謂、”通勤用”も実はイヤホンの線が アンテナの一部として利用されている。。つまり、AMラジオのように内蔵アンテナのみでの 受信は困難な場合が多いということであるホイップアンテナの場合、Fig.3のように垂直に立てk れば水平方向では無指向性に近くなる。金属が近くにある時はその方向からの電波を受けにく くなる。そのラジオを手に持って移動できるようであれば、Fig.4のようにアンテナを真っ直ぐ に伸ばして、ラジオを水平に持ちラジオの向きを変えることで、ノイズが到来する方向をある 程度特定することができる。

FIG_FMJ0104

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iv. ノイズのレベル

AMラジオレベルの項も参照されたい。オーディオ用のチューナで、”ミュート”、”ミューティング”、”スケルチ”等の表現が付いたスイッチがあればOFFにして、 レベルを測ること。但し、AMラジオと異なりFMラジオでは電波が何も入っていないときには”ザー” という音が常に聞こえている。このノイズ音は非常に広帯域かつエネルギースペクトルも均一で、 オーディオマニアが各種測定に必要な”ホワイトノイズ”の代用にできるほどである。専門的には 自己相関性が極めて少ないノイズ(極めてランダムであると言い換えても良い)である。本章で対象としているノイズはそのノイズではなく、ある程度の自己相関性を持つノイズである。(ホワイトノイズ程のランダム性は無い)簡単に言い換えれば、”ザー”とは聞こえない音でも言うべきだろうか。少し難しい話になるが、DSP(Digital Signal Processor)と呼ばれる信号処理を得意とするプロセッサ(高級カーオーディオ機器、パソコンのサウンドカードにも搭載されている。)は、この自己相関性の差を利用して音を振り分ける(フィルタリングする)処理は比較的容易に実現できる。もし、手持ちのオーディオ機器に”DSPノイズ除去回路搭載”などの記述があれば、ON/OFFして、その差を観察してほしい。

AMの場合と比較して、リミッタ回路や各種フィルタによってノイズの侵入は少ない筈であるが、 実際には色々な”ザー”以外の音が聞こえる。最後に頼りになるのはやはり人間の耳である。 しかし、現実には”ザー”音を長時間聞くことは苦痛以外の何者でもないので、先程触れた ”スケルチ”・”ミュート”を”ザー”音が出るか出ないかのギリギリの位置にセットして 受信記録を採ってみてはどうだろうか。

v. ノイズ音の録音

AMラジオの項も参照されたい。FMラジオで”スケルチ”、 ”ミュート”回路が使える場合には、音が出始めるスレッシュ値(しきい値)を越えるまでは 無音なので、音が入ったときに自動的に起動する機能を持った会議録音用などのテープレコーダが 有効活用できるだろう。可能ならば、現在時刻を音声で告げる時計と連動させて、正確な録音時間を 記録できると貴重な資料になる可能性がある。

6.受信周波数シフトの怪 (真相未確認・・・仮説)

民間観測者の間で、地震の前兆に観測されるFM放送波が規定の周波数から僅かに異なる周波数で受信 されるように観測できる、という複数の報告がある。実際、八ヶ岳南麓天文台においても(あく まで直接の理由は異なっているが)、公表されている放送と全く同じ周波数で観測・記録は行われて いない。これは一体何を意味するのであろうか。筆者は一つの仮説を作り、 将来震源になりうる場所の上で起きている 現象で触れているので参照して欲しい。筆者は単に観測の精度が上がる可能性があるという 理由だけで、放送周波数からシフトして受信した方が良いとは思えない。そこには周波数(又は 位相、又は周期)をシフトさせる何かの原因があると考えている。自然界で最もよく体感できる 周波数シフト現象は警笛を鳴らしながら走行する列車が次第に観察者に近づき、通過し、離れていk くときの警笛の音の変化である。また、天文学でも周波数(この場合は光の領域まで含む)シフト を利用して他の恒星・惑星までの距離や大気の成分分析が行われている。全くの仮説であるため、 読者の方々の観察・研究・検討を期待する。

7.ノイズ発生のタイミング

地中を電磁波エネルギーが進行する場合の速度・減衰係数から、AMラジオ放送の場合と比較して、 地理的により震源に近く(2次元で考えないで欲しい。影響はあくまで3次元、空中にも及んでいる!)の影響を捉えていると筆者は考えている。逆に言えば、FMラジオ放送にノイズが混入する場合はAMラジオ放送の場合と比較して、より震源の特定が行いやすいのではないだろうか。言い換えれば、観測者のより身近で現象が起こっている可能性もある。(受信対象局が近くの局の場合)時間的な点についてはAMラジオの場合と比較検証するだけのデータを筆者は持ち合わせていない。読者各位の研究に期待する。


まとめ

AMラジオ放送の場合と同じく、FM放送に入るノイズについても、ほとんどの学者が相手にしていない が、今までの民間によるデータ蓄積から前兆把握に大いに役立つ可能性を秘めている。(八ヶ岳南麓 天文台では混入ノイズでは無く、あくまで放送局の電波を受信することでデータ収集をおこなって いる)できるだけ多数の読者各位の観測参加を期待する。お金はほとんどかからない。日頃からの ちょっとした心がけが大きな地震の前兆把握に役立つ可能性があることをここでも強調しておきた い。

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